人生は一度きり
「人生一度きり」とよく人は言う。 ついでに青春も一度きり、と人はいう。
だから悔いのない今を生きろと。
一度きり、というこの言葉は、かなり刹那的に人を追い立てる。
何かしなきゃいけないと追い立てる。 悔いなきようにと追い立てる。
たしかに人生は、一度きりにみえるし。
もうこの一瞬は二度と戻ってこない。
この生まれてから死ぬまでの間、時は前向きにしか進まず。
自分が立ち止まったところで、時は止まらず、一度きりたる人生の終焉に向かって進むから。
だから、走るしかないけれど。
でもたぶん。「人生一度きり」って、そんな慌てた生き方をしなさいってことじゃなく。
さりとて、怠惰に過ごすことでもなく。
どうすればいいかを考えなさいって、そういう意味なんじゃないかって。
そんなことに気付けるのは、人生もずいぶん生き。
折り返し地点もすぎ、下手すると終焉直前のことかも知れない。
だけど、まだまだこれから悔いなきように